衆議院議員◇真実 一路◇
「いい加減にしてもらいたい!
本人が行っていないと言うのだから行ってないんだ!ちゃんとした根拠も無いくせに適当な事を言うなっ!」
「根拠はあるでしょう。あの政治資金収支報告書に記載されている店の名前、ごまかしようの無い事実ですよ」
「だから何度も言っているように、あれは事務員が間違えて………」
「間違えて支出欄に記載しちゃった?でも、領収書があるから記載したんですよね?」
「私じゃ無い!政治資金管理団体の職員の誰かが行ったんだ!」
「それこそ根拠が無いでしょう。あの収支報告書には、誰が行ったとまでは書いて無い。M大臣、君が行ったという可能性は否定出来ない!違いますか!」
「私は行って無い!私が行く訳が無いだろう!」
「それは分かりませんなぁ~。人は見かけによらないと言いますからねぇ~♪意外と大臣のような一見真面目そうな男に限って……という話はよく聞きますよ。僕には、豚野ろ…いや、M大臣が裸で四つん這いになって女王様に踏みつけられている姿が容易に想像出来る」
幹事長のその言葉に、場内からクスクスと小さな笑い声が洩れる。きっと、議員達の頭の中にはM大臣のそんなあられもない姿が映像として浮かび上がっているに違いない。
幹事長のこんな他人を小馬鹿にした態度は天才的と言える。M大臣をやり込めるのも、もうひと押しというところか………
「なんと言おうと、私はそんな店に行った事は無い!私には、そんな趣味は無いんだ!」
「それこそ根拠が無い言い訳だ。
大臣にSM の趣味が無いという証拠はどこにも無い!もしあると言うなら言ってみなさい!」
議論は、完全に幹事長のペースである。たとえM大臣が潔白であろうと、そんな証拠が出せる訳が無い。私だって無理である。
ところが………
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