【完】Rose.
「…ご無理は承知の上でのお願いなんです。…貴女の仕事ぶりは伺いました。…正確で手早く、効率よくこなしておられると評判です。人格的にも皆さん貴女を慕っているのがよくわかる」
ぅえぇ?!いきなりの褒め殺し?!
「…や、いやいや、そんなこと無いですっ」
どう反応すればいい?!
「…仕事柄、出張も多いですし、仕事量も多くなります。私一人では余裕も無い。仕事を上手く回すためには、良きパートナーが必要だと考えています」
「なら、他の方でもいいんじゃ…」
そうだ、なにもこんな干からびかけた女を秘書になんかしなくていいはず。
「…信頼出来るパートナーが欲しいんです。社を空けることが多い分、私のいない間を任せたい。秘書、と言うよりはほとんど私の代理です」
「……代理…」
なおさら無理だ。課長職でもいっぱいいっぱいなのに、そんな大役荷が重すぎる。
「…課長職と同等、…いや、それ以上の役職だと思います。もちろん、給料は貴女の働きに必ず見合った額を。…是非、引き受けて頂きたい」
「…そんな、私なんかが…」
「……自信が無い?」