【完】Rose.
粗く、雑に走って来た日々を、丁寧に、塗り変えたい。
駆けずり回って擦り減ったヒールを脱いで、眠れない夜をお酒で紛らわすのをやめて、忙しなく食事をするんじゃなくて、味わって癒されたい。ゆっくりとバスタイムを過ごして、自分にご褒美をあげられるような、そんな余裕を身につけたい。
潤いで全身を満たしたい。
そうするには、干からびそうな、現実を飛び越えて見るのもいいかもしれない。
どうなるかは、わからない。
けれど、悪くするのも、良くするのも自分。
なら、頑張ってみよう。
この力強く引っ張る、逞しい腕が側にあるのだ、 一人で走らなくていい。
なにもしなければ、始まらない。
変わらなければ、変わらない。
突然やって来た道だけれど、身を任せてみるのもいいだろう。
「……わかりました。…そのお話し、お受けします。……飛躍、したいから」
自信を、つけたいから。
貴方の隣でなら、きっと出来る。
そう思えるから、覚悟を決めたの。
簡単に決めすぎ?
いいじゃない。
話がうますぎる?
上等。
忍耐力には、自信があるの。
選んだ道は、最後まで貫き通すわ。