【完】Rose.


正直、ビビってる。


秘書室って、どんなところだっけ…から始まり、女らしくしなきゃとか、大きい声出せない、とかメイク変えなきゃとか、悩み出したらキリが無い。


あの人の隣に立って、堂々と秘書だと名乗れるのだろうか。


…見劣り確実、霞んで顔すら印象に残らないわ。


「……はぁ、女子力って、なんなのさ」


聞いてみるにも、まともな人間が周りにいない。


私の友達と言えば、私と同じく仕事が恋人な奴ばかり。


…違うところと言えば、…かろうじて恋愛してるところ?


…行き着くところはそこなのか。


恋愛、出来なきゃダメ?


駄目元で、奴らに聞いてみる?


「……でも、絶対普通じゃないんだよな…」


いつも飲みに集まる時は、私を入れて大抵4人。


A子は年上キラー。


B子は金持ちだったらなんでもオッケー。


C子は唯一彼がいて、売れないデザイナーの彼を養い中。本人曰く、投資だそうな。


…ダメだ、…全っ然、参考にならん。


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