【完】Rose.
ピピピ、ピピピ、ピピピ
―わかった、わかったから、あと5分寝かせてくれ。
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ビー!!
「っだぁ!……ぅー、…起ぎだぐないー」
携帯のアラームが鳴るのは、毎朝六時半。
どんなに遅く帰ろうとも、徹夜になろうとも、変わらない。
六年間続いている、変わらぬ朝。
けれど昔から朝が弱いことにも変わりはなく、毎朝起きる時は地獄のように感じる。
断じて大袈裟ではない。
ほとんど眠っている状態で、会社に向かうべく準備をする。
六年間続けて来たからだろうか、惰性で出来るところが救いというか、なんというか。
そうしている内に段々と目が覚めて来て、思考もはっきりし始める。
「……今日は朝から会議があって、…その後外回りで、確認入れて…。」
準備の合間にコーヒーを飲みながら、今日一日のスケジュールを頭の中で整理して行く。