【完】Rose.


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「こちらが水木さんのデスクです。…今日はまず荷物の整理からなさってください」


「はい。わかりました。ありがとうございます」


…ようやく落ち着いて来た気がするので、あの後どうしたのか軽く説明を。


いや、軽くないわ。


インパクト大だった。


―あれから少しして、専務室へ向かわなければと重たい足を引きずり始めた時。


「……水木すみれさん。…そちらからでは遠回りになりますが」


静か過ぎて、誰もいないと思い込んでいたロビー。


「?!……っぎぁあ!」


……後ろはダメでしょう?!


一体今度はなに?誰?


「……っ、ど、ちら様ですか?」


「…失礼いたしました。秘書室、室長の真中聡と申します」


……室長かい!


「…あ、こちらこそ、よろしくお願いいたします。水木すみれです。……あの、ここまでわざわざ、申し訳ありません…」


「…いえ。専務から迎えに行くようにと、申し付けられましたので」


……なんか余計にすみませんね?!


「……そう、ですか」


「…はい。とりあえず、参りましょうか」


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