【完】Rose.


そう言って、スタスタと歩いて行く室長の後ろに慌てて着いて行って、今に至る、と。


……なんか、今の時点で色々とすっごく消耗してるんだけど…。


そう心の中で愚痴りながら、自分の使いやすいようにデスクを整理して行く。


ちなみに、このデスクがあるのは、専務室へと続くドアを入って右側。小さな部屋になっていて、その奥に専務の仕事部屋がある。


小さな部屋だけれど、簡単な給仕も出来るようになっている。


…さすがは専務、ってか?


だけど、…あの室長も。


あんな感じだけど、かなり出来そうな人。


まだ若いのに室長なんて、優秀な証だろう。


だけど、だけどだけど。


あの少しの時間でわかったけど。


…キャラ濃いわ。


あの専務に、室長。


私が関わるのは、ほぼこの二人と見えるから。


……出来ることなら遠慮したい。


…無理だけど。


―ガチャ


「…すみれさん?」


そんなことを考えていると、タイミング良くひょこっと扉から顔を出した専務。


「…専務。なにかご用でしょうか?……真中室長をお呼びしましょうか」


私ではまだ、全く役に立たないし。


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