【完】Rose.
昔から男勝りで、バレンタインには女子からチョコレートを貰うなんて当たり前のことだったし。
男子と付き合っても、君には俺がいなくても大丈夫だ、とかなんとか言って勝手に去って行った奴がほとんど。
強気な所が好きなんだ、って告白して来たのはお前等だろうが!
ってもう最後は呆れてなにも思わなかったけど…。
一番ひどかったのは、大学で付き合った奴。
浮気したのを棚に上げた挙げ句、
『彼女は守ってやりたいけど、すみれは違う。…守ってもらってた気がする。俺、守りたいんだ』
開いた口がふさがらない、とはこのことだった。
じゃ、そういうことだから、今までありがとな。
そう言って歩いて行く野郎の背中に、飛び蹴りをお見舞いしたのは今でも爽快に覚えている。
あぁ、嫌なこと思い出した。
チッと思わず舌打ちをこぼす。
……こういうのが、ダメなんだろうな。
はぁ、全体的に足りてないわ、色々と。
そんなことを考えながら、朝にしては比較的空いている電車に揺られる。
毎朝早めの電車に乗っているわけだが、早く会社に出勤しなければならないのもあるけれど、理由は別にある。