不良に口説かれて恋にオチました
学校へ着いた時には、びしょ濡れで親友の麻実が近寄ってきて慌てた顔をした。
「あんた傘は?!」
「えへへ。少しいろいろとあったの。」
麻実はあたしの頭をガシガシと乱暴ながらも拭いてくれた。
「麻実、あたしこれから用事があるから帰るね?」
「はぁッ?!今来たばっかでしょ!あんたっ!!」
「えーっと深い事情がっ!出席日数だけ稼ぐ為に来たの!あたしが学校に来たことちゃんと先生に言ってて!!それじゃっ!!」
あたしはそれ以上、何も言われない為に走って学校を後にした。
「──はぁっ…はぁ……っ」
さっきの子猫と出会ったところまで休まず走ったけど
子猫の姿はどこにもなかった。
…あたしの傘と共に───…