不良に口説かれて恋にオチました

｢なんか分かんないけどあたし、帰るわ。じゃあね｣






｢あっ！俺のことは爽って呼んで。俺は希美って呼ぶな！｣






｢…やだ。｣



　


｢よろしく｣






｢やだって言ってるじゃん｣






｢学校で希美って呼ぶから｣







学校でも会う気なのかこの男。






｢…爽って呼ぶから、あたしのことは一応先輩つけてよんで。｣





呼び捨てで呼ばれてどういう関係とか周りに言われるのイヤだしね。






｢分かった。希美先輩｣





爽はそう言って嬉しそうな顔で笑った。






｢…じゃ、帰る。｣





あたしはそう言って歩き出したのだった。






角を曲がる時にチラッと爽を見るとあたしに向かって手を振っていた。






｢ヘんな人…｣





なんであんなに嬉しそうな目であたしを見たりするんだろ。





あたしは疑問に思いながら帰ったのだった。