不良に口説かれて恋にオチました
時雨side
誰だよこいつ…。
希美がお茶を取りに教室に戻った瞬間、こいつは急に俺を見て鼻で笑った。
「……ふっ」
「なんだよ」
こいつ希美の前と態度かわりすぎだろ。
「希美先輩の彼氏らしいけど、そんなの関係なく俺、希美先輩奪うから。」
「俺から希美を奪えるとでも?」
俺は見下すように、笑った。
こんなやつに希美を奪われるわけない。
やっと手に入れたんだ。
俺が本当にほしかったものを。
それをそんな易々と奪われるわけにはいかねぇ。
「希美先輩の気持ちが変わらないといいですね?」
「お茶取ってきたよー!…あれ?何か話してたの?」
希美がお茶を持って戻ってくるとあいつの態度はかわった。
「希美先輩、俺…自分の教室もどりますね!それじゃ!!」
…やっかいなやつが俺の敵となったな。
俺は深く溜め息をついたのだった。