不良に口説かれて恋にオチました
「痛いじゃん!!何すんの…よ?!」
あたしはソファーに座らせられると腰に腕を回されて逃げられなくされていた。
「変態!!手離してよ!!」
「いつまでそんなメイクしてるわけ?」
──?!
あたしの顔をまじまじと見て時雨は笑った。
これってさ…
もしかして…?
「希美?おまえ、俺を騙せるとか思ってたのか?」
バレてた…。
もしかしなくてもバレてた…。
あたしだと分かってて家に連れてきたってこと?
…そうとしか考えらんないよね
でも、ここで素直に負けを認めないのがあたし。
「希美?誰それ。あたしマドカなんだけど…?」
化粧で結構、分かんないかもだし?!
あやふやであたしだと思ってるだけかもしんないし?
「はぁ…」
時雨はため息をつくと立ち上がって、洗面所の方へと向かった。