Only You
花をオフィスで綺麗に活けるのは彼女だけだ。
他の女性社員で植木鉢の花に水をやってる人なんて見た事も無いし、間違いなく彼女のブログなんだ、これは。
そう思って、僕は自分の名前をあえて伏せてファンメールを送った。
男から唐突にお花ブログへのメッセージをもらって、琴美も驚いたみたいで、最初の返事は当たり障りの無い挨拶程度だった。
そこから、どんどんお互いの趣味とか、何味のスパゲッティが好きかとか、その日どんな景色を見たかとか、そういう他愛の無い内容のメール交換になった。
気付くと、琴美は僕に心の中をあらいざらい語るようになっていて、微かに罪悪感が出てきた。
会社ではまるっきりお互い社員としての顔を崩さずに付き合っている。
なのに、メールの中で僕は、琴美にほとんど説教とも言えるような偉そうな事を書いていた。
このまま黙ってメル友を続けるのも悪い気がして、自分がエルだという事を明かすチャンスを狙っていた。
うまい具合に琴美から会いたいと言ってくれたのをきっかけに、僕はとうとう自分がエルだという事を名乗った。
引かれるかなとか、驚かれて逃げられたりして……なんて心配をしてたけど、琴美は案外ストレートに状況を受け入れてくれた。
他の女性社員で植木鉢の花に水をやってる人なんて見た事も無いし、間違いなく彼女のブログなんだ、これは。
そう思って、僕は自分の名前をあえて伏せてファンメールを送った。
男から唐突にお花ブログへのメッセージをもらって、琴美も驚いたみたいで、最初の返事は当たり障りの無い挨拶程度だった。
そこから、どんどんお互いの趣味とか、何味のスパゲッティが好きかとか、その日どんな景色を見たかとか、そういう他愛の無い内容のメール交換になった。
気付くと、琴美は僕に心の中をあらいざらい語るようになっていて、微かに罪悪感が出てきた。
会社ではまるっきりお互い社員としての顔を崩さずに付き合っている。
なのに、メールの中で僕は、琴美にほとんど説教とも言えるような偉そうな事を書いていた。
このまま黙ってメル友を続けるのも悪い気がして、自分がエルだという事を明かすチャンスを狙っていた。
うまい具合に琴美から会いたいと言ってくれたのをきっかけに、僕はとうとう自分がエルだという事を名乗った。
引かれるかなとか、驚かれて逃げられたりして……なんて心配をしてたけど、琴美は案外ストレートに状況を受け入れてくれた。