Only You
03 気遣いと亀裂(SEIDE琴美)
距離という敵を甘くみていた。
綾人との距離がどんどん開く。
お互いに相手を疲れさせまい、心配させまいという気持ちが大きく働き過ぎて、うまくいかないという感じだ。
綾人は天海さんとも同じパターンで駄目になっているらしいから、私への対応もすごく遠慮がちになっているように感じた。
「天海さんは笹嶋さんと別れたくなかったみたいですけど、何だか自然消滅みたいでしたよ?」
叶さんは相変わらず情報通だ。
聞いてもいないのに、どんどん情報が入ってくる。
あの綾人が意味もなくフェイドアウトするとは思えないし、きっと何か理由があったんだと私は思いたい。
そうでなかったら、まるっきり同じパターンで私達も駄目になってしまう。
それどころか、綾人のパートナーをしている天海さんと戻ってしまう事も考えられなくはない。
「遠藤さんは仕事に生きるタイプなんですか?」
叶さんが真面目な顔で私にそう聞いてきた。
仕事に生きる??
今までそんな風には考えた事は無くて、必要とあれば転職もありだと思ってるし今の会社に執着するつもりはない。
「いえ、別に仕事に生きるっていうふうには考えた事ないですね」
そう答えたら、叶さんが本当に不思議そうに言った。
「え……じゃあ何で笹嶋さん捨てて仙台に来たんですか?」
綾人との距離がどんどん開く。
お互いに相手を疲れさせまい、心配させまいという気持ちが大きく働き過ぎて、うまくいかないという感じだ。
綾人は天海さんとも同じパターンで駄目になっているらしいから、私への対応もすごく遠慮がちになっているように感じた。
「天海さんは笹嶋さんと別れたくなかったみたいですけど、何だか自然消滅みたいでしたよ?」
叶さんは相変わらず情報通だ。
聞いてもいないのに、どんどん情報が入ってくる。
あの綾人が意味もなくフェイドアウトするとは思えないし、きっと何か理由があったんだと私は思いたい。
そうでなかったら、まるっきり同じパターンで私達も駄目になってしまう。
それどころか、綾人のパートナーをしている天海さんと戻ってしまう事も考えられなくはない。
「遠藤さんは仕事に生きるタイプなんですか?」
叶さんが真面目な顔で私にそう聞いてきた。
仕事に生きる??
今までそんな風には考えた事は無くて、必要とあれば転職もありだと思ってるし今の会社に執着するつもりはない。
「いえ、別に仕事に生きるっていうふうには考えた事ないですね」
そう答えたら、叶さんが本当に不思議そうに言った。
「え……じゃあ何で笹嶋さん捨てて仙台に来たんですか?」