COLOR's
color's - 03.20~03.31

03.20


半年の治療期間を言い渡されてから早、数日がたっていた。
物珍しかった医療機関も見慣れてしまえば退屈でたまらなくなる。
私と会話する人間もこの場所では数少なく、はっきり言ってしまうと非常に退屈な毎日を送っていた。
あ、そうだ・・・
見慣れてしまえばというと私の普段の解釈になるな。
『触り慣れてしまうと』といったほうが確かだろうか。
今の私はもう、色だけの問題ではないのだ。
形すら、見えなくなってしまったんだから・・・

もともと私は、色というものを認識することができなかった。
どんなときでも白黒の世界に生きていおり、目に映るものすべてが色を失っていた。

治療法は未だ見つかっていない・・・
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