COLOR's
「もう仕事もできないかな」
これからどうやって生活をしていけばいいのだろう。
不安で胸が締め付けられる。その時だった。
「こんにちは」
陽気な声が頭上からふってきた。
「えっ?」
「悲しそうな顔をしているね」
気配すらしなかった。病室の扉は閉ざされたままのはずなのにどこから入ってきたのだろう・・・
声の低さからして男性だった。同い年くらいだろうか。
「誰?」
「ぼくは君と同じ、ここで入院してる患者だよ」
「ここの患者?」
「うん。君の病室のお隣さんかな?」
「・・・」