迷える狼 VS 迷える子羊
全速力で行って戻ると女の子は立ち上がろうとしていた。


やっぱりふらついているじゃないか!


俺はタオルをびしょびしょの制服にかけ、
女の子を抱えて座れるところを探そうとしたんだけど
女の子がど~もパニックを起こしている・・・らしい。

顔を真っ赤にして目をきょろきょろさせている。

ぷっ♪まるでりんごのほっぺだな。

あ・・もしかして俺の作業着が嫌なのか?
臭いか?あ、雨で濡れてるからか??
ま~それ以外にも相手からしたら
見知らぬ怪しい男だもんな・・俺。

一応安心してもらおうと

「ごめんな?」
と声をかけ本題の

「怪我はないか?」

と聞くと、相変わらずりんごのほっぺだが
今度は多少落ち着いて
「大丈夫・・です」と、
うつむきながら答えた。

うつむいていることで印象的な瞳が
見れなくて残念に思いながらも
(しっかりりんごのほっぺは見るが・・)
「大丈夫ならいいけど、タオルはそのまま返さなくていいよ。
気ぃつけて帰んなよ?」

とその場に女の子を下ろし仕事場に戻っていった。

しかし・・想像よりかわいかったな。
特に瞳となんと言ってもりんごのようなあのほっぺ

俺は無意識に笑っていた。


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