佳人な先生
約束の日。

また同じカフェで

待ち合わせをした。


今日は芹沢さんの方が

先に着いていた。


「おそくなりました。」


「いや、
 僕も来たところだよ。」


優しく微笑んでくれる芹沢さん。


そしてコーヒーと

ミルクティーを

注文した。


今日は私が話そうと思っていた。


「今日は私の知っている
 瑞城先生を聞いて
 もらえますか?」


「えぇ。
 ぜひお願いします。」



本当なら出会いから

話すところなんだろうけど

私にはできなかった。

あの日の出会いは

まだ言葉にできない。



芹沢さんに言葉にして

話しをしてしまうと

うまく言えないけれど

キレイに思い出として

整理されてしまうような

そんな気がした。




あの日の記憶は今もまだ


私の中で生きている。




だからまだ話したく・・ない。
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