佳人な先生
今日はバイトもない。

大学もない。


1日部屋で

のんびりかな・・・。


外は暑そうで

でかける気にもならない。


「雨降らないなぁ・・・」


卒業アルバムを

出してきて

教職員のページをめくる

最近の習慣。


そこに他の先生たちと

並ぶ瑞城先生の写真・・・。


そっと指でなぞる・・・


「ほんとキレイ
 なんだから・・・
 そんなだから早く
 死んじゃうんだよ!
 美人薄命って言うでしょ・・
 瑞城先生は美人なんか
 じゃない・・・佳人・・・」


そしてまた感情があふれ

涙がこぼれる・・・。



会いたいよ・・・


瑞城先生・・・。


プルルルルル―――


携帯が鳴った。

あわてて涙を拭いて

携帯を取った。


芹沢さんだ!


ピッ。


「もしもし。」


「あ、桐乎さん?
 今大丈夫かな?」


「はい。」


「ん?何かあった??」


「え?」


「なんか声が違うかなって・・」


「あ、いえちょっと寝起きで・・」


泣いていると

気を使われそうで

とっさにウソをついた。


「起こしちゃったかな。
 ごめんね。」


「いえ!もう起きてましたから!」


「そっか。
 それならよかった。
 なかなか連絡
 できなくてごめんね。」


「いえ・・・
 お仕事大変なんですね。」


「うんちょっとね。
 けど、だいぶ落ち着いたから
 よかったら今日の夕方から
 縁日に行かない?
 今日はわりと縁日を
 やってる神社が多いらしいから。」


「行きます!」


「よかった。
 じゃあ夕方5時ごろに
 迎えに行くから。
 どこの縁日行きたいか
 考えててくれる?」


「わかりました♪」


「じゃあ、またあとでね。」
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