佳人な先生
屋台を
一通り見たあと
私と芹沢さんは
神社の裏手に抜け
星のきれいに見える
高台に出た。
まわりにも
カップルが少しいる。
ちょっと意識して
しまうような場所。
少し緊張してしまう。
星を見上げながら
芹沢さんが
少し小さめの声で
話し始めた。
「兄が亡くなる
半年ぐらい前から
僕に繰り返し、
繰り返し同じ
生徒の話しばかり
していました。
そしていつも
最後にはこう
締めくくるんです。
自分は忘れられて
いく人間だから・・・
だから彼女の元には
何一つとして
思い出になる品は
残してこなかった。
って・・・。」
私の目から
涙がこぼれる・・・。
「私・・・
瑞城先生を
忘れるなんて
できません・・・。
忘れたくなんて
ありません・・・。」
「うん、そうだね。
僕も弟として
君に兄を忘れて欲しいと
思わないんだ。
けれど
前には進んで欲しい。
兄のことで
縛られて君が幸せに
なれないことは
兄も望んでいないと思う。
そのために
兄は君の元に
何も残さない努力を
していたから・・・。」
「・・・・・。」
とめどなくあふれる涙。
芹沢さんがハンカチを
差し出してくれた。
私はそのハンカチを
受け取って涙をふいた。
一通り見たあと
私と芹沢さんは
神社の裏手に抜け
星のきれいに見える
高台に出た。
まわりにも
カップルが少しいる。
ちょっと意識して
しまうような場所。
少し緊張してしまう。
星を見上げながら
芹沢さんが
少し小さめの声で
話し始めた。
「兄が亡くなる
半年ぐらい前から
僕に繰り返し、
繰り返し同じ
生徒の話しばかり
していました。
そしていつも
最後にはこう
締めくくるんです。
自分は忘れられて
いく人間だから・・・
だから彼女の元には
何一つとして
思い出になる品は
残してこなかった。
って・・・。」
私の目から
涙がこぼれる・・・。
「私・・・
瑞城先生を
忘れるなんて
できません・・・。
忘れたくなんて
ありません・・・。」
「うん、そうだね。
僕も弟として
君に兄を忘れて欲しいと
思わないんだ。
けれど
前には進んで欲しい。
兄のことで
縛られて君が幸せに
なれないことは
兄も望んでいないと思う。
そのために
兄は君の元に
何も残さない努力を
していたから・・・。」
「・・・・・。」
とめどなくあふれる涙。
芹沢さんがハンカチを
差し出してくれた。
私はそのハンカチを
受け取って涙をふいた。