佳人な先生
瑞城先生は

視線をまっすぐ

前に戻し、

また話しを始めた。


「勉強なんて
 社会に出てなんの
 役にも立たないって
 思ってるやつが
 ほとんどだろう。

 たしかに、せいぜい
 割り勘のする時ぐらいの
 算数程度しか
 使わないだろう。
 
 だがな。
 お前らを評価して
 もらえるのは
 その役にも立たない
 勉強なんだ。

 国語・数学・理科・
 社会・英語。
 ほとんど役に立たない
 これらのテストで
 お前らは評価されていく。
 
 大学の入試にしろ
 企業の採用テストにしろだ。

 お前らが学生のときに
 与えられた『勉強』という
 課題に対して
 どれだけマジメに
 取り組んだかが
 試されるんだ。

 社会に出れば
 勉強が仕事に変わる。
 それに対して
 どれだけマジメに取り組める
 やつなのか。
 それを試されるんだ。

 今の現実のほとんどがそうだ。
 学歴や資格で評価されていく。
 転職するにも学歴・資格
 過去の職場の経験や実績だ。」



瑞城先生は

ゆっくりと教室の中を

歩きながら話し続けた。

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