佳人な先生
数日後。

今日はバイトの日。

いつものように

注文票を見て

アレンジを始めた。


「星音ちゃ~ん♪
 元気ぃ~??」


「神宮寺さん!
 お久しぶりです♪」


自分の笑顔とは裏腹に

ドキッとした。


そう・・・


神宮寺さんは


月冴さんの彼女。


自分のことばかりで


忘れていた・・・。


「どうしたの??」


「え?!い、いえ!
 今日は何になさいますか?」


神宮寺さんの言葉に

我に返った。


「実はね♪
 結婚式用のブーケを
 お願いしたいの♪」



え・・・・?


月冴さん・・・


私を好きって言って

くれていたのに・・・


結婚するんだ・・・。


頭の中を駆け抜けて行く

黒い考え・・・。


遊ばれただけ?


同情?


ちがう・・・

もともと私は彼女じゃない・・・


他に想っている人が

いるような女に愛想を

つかしたのかもしれない。


もしかしたら

月冴さんも

この前のキスで

何かを悟ったのかもしれない・・・。




すごく幸せそうな笑顔で

話しをする神宮寺さんに

笑顔で返事をすることだけで

精一杯だった。
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