佳人な先生

すべて話し終えて

２人の間に流れる沈黙。


それを打ち破ったのは

アンリ君だった。


「人ってさ、
　悩み事を人に
　相談するけど
　だいたいのことは
　自分の中で答えが
　決まってるんだよ。

　ただ、自信がないから
　同調して欲しいだけ。
　同じ意見をもらえた、
　だから自分の答えは
　正しいんだって
　自信が欲しいだけ。

　反対の意見がでれば
　少しは考え直すのかも
　しれないけれど、
　結局はまた
　別の人に相談して
　同じ意見が出るまで
　相談を繰り返す。

　・・・キリちゃんも
　もう決まってるよね？
　
　・・・答えは？」
　


「・・・月冴さんに
　気持ちを・・伝える。」



「よくできました。」



そう言ってニッコリ

アンリ君は微笑んでくれた。


私も力なく微笑んで

うつむいた。



「瑞城先生のこと
　考えてるでしょ？」


「え？！」


パッと顔をあげて

アンリ君をみた。


優しい笑顔のまま

アンリ君が言った。


「僕から言わせれば
　瑞城先生との出会いも
　芹沢さんとの出会いも
　どちらも運命的に
　思えるけどねぇ。
　瑞城先生があってこそ
　芹沢さんと出会えたわけだし、
　それにキリちゃんが
　捕まえちゃってるしね（笑）　

　ついでに言えば
　僕たちの出会いも運命的
　じゃない？♪
　少女マンガでよくありそうな
　出会いかな（笑）

　・・・答えは出てるけど
　決心がつかない感じ・・かな？」
　

アンリ君は私の心が

読めるのかな・・・。