佳人な先生
神宮寺さんの姿を見て

立ち止まった月冴さんは

私をかばうように前に立った。


「一華(イチカ)・・・」


月冴さんが神宮寺さんの

名前を呼んだ。



「2人してどこ行くのぉ~?」


神宮寺さんが言った。


「どうしてこんなことを・・」


それに答える月冴さん。


2人がどんな表情をしているのか

私からは見えなかった。



「私は星音ちゃんに
 話しがあるのよ。
 そこをどいてよ月冴。」


「断る。」


神宮寺さんが

イライラしている感じが

伝わってくる。


そうだ・・・。


私は神宮寺さんから

月冴さんを横取りしたような

ものなんだろう。


「神宮寺さん!私・・」



月冴さんの後ろから

逃れながら発した声は

月冴さんにさえぎられた。


「話しがあるのは僕だろう。
 星音ちゃんは関係ない!」


月冴さんは

私を逃さないように

しっかりと私を後ろに隠した。
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