佳人な先生
「僕が回診中に
 僕の携帯を勝手に見て
 星音ちゃんをここに
 呼び出して、
 そしてそれを運悪く
 僕に見つかって
 呼び出したことが
 バレないように
 とっさに僕の携帯を
 壊した。

 で、僕は仕事の合間に
 携帯のデータを
 取り出して
 先回りした。」


「月冴が早退したのを
 知って気づかれたと
 思って急いで私も
 やってきた・・と」


「で、これから
 どうするんだ?」


「私と結婚してくれるなら
 このまま帰るわよ?」


「それはできない。」


え?!

月冴さん・・・。


思わず月冴さんの

後ろ姿を見上げた。


「じゃあ・・・
 一緒に死ぬ?」


月冴さんが

右の手を後ろにまわし

しっかりを私を包み込む。



「僕は医師だ。
 簡単に死ぬとか
 言って欲しくないな。」



「星音ちゃんが
 いなくなれば
 私の元に帰ってくる?」


怖い・・・。


いつもの神宮寺さんじゃない・・・。


無意識に両手で

月冴さんの背中部分のスーツ

つかいんでいた。


「彼女は関係ない。」



「じゃあ一緒に
 死にましょうよ。」


カシャっと金属音がした。
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