佳人な先生
行くあてもなくて

自分の家に帰ってきた。


「ただいま~
 友達連れて
 きてるからね~」


そう両親に声をかけ

自分の部屋に案内した。


神宮寺さんを部屋で

座らせてキッチンへ行き

お茶を用意して

部屋に戻った。


「紅茶しか
 ないんですけど。」



そう言って

紅茶を差し出した。


神宮寺さんは

うつむいたまま

動こうとしない。



2人の間に流れる沈黙。


そしてしばらくして

私が沈黙を破った。


「私・・・。
 今日、月冴さんに
 気持ちを伝えるために
 呼び出しました。

 神宮寺さんのことも
 考えたけれど
 後悔したくないって
 思って・・・。
 
 神宮寺さんと月冴さん
 との中をどうこうする
 つもりはなかったんです。

 けど・・・
 そんなのキレイゴト
 ですよね・・・。

 ごめんなさい・・
 申し訳ありませんでした。」


私は神宮寺さんに

頭を下げた。


うつむいたままの

神宮寺さん。
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