佳人な先生
駅前のカフェに入って

2人で紅茶を頼んだ。


「ここの紅茶
 本当においしいよね~」


匡が優しい顔で

話しかけてくる。


「・・・あのね匡。」


「聞きたくないよ。」


「え?」


察したかのように

匡は少し真剣な顔を

して言った。

そしてすぐ

少し悲しい感じのする

笑顔になって言った。


「いいんじゃない?
 今楽しければそれで。」


「うん・・・。」


「・・・イブ
 会うのはやめよう。」



「・・・わかった。」



「・・・。
 やっぱり会おう。」



「うん・・・。」



「ねぇ。」



「なに?」


「星音の意見って
 ないの?」


「え?」


「僕のいいなりだね。
 いつも。」


「・・・。」


「ごめん。
 ちょっと意地悪だったね。」


「・・ごめんなさい。」


「終わってないんじゃない?
 星音の中では。」


「・・・・。」



「無理には聞かないけどさ。
 正直僕も友達してるの
 つらい・・かな。
 男として見て欲しいって
 欲を抑えるのにそろそろ
 限界かも。
 けど、僕は・・」


「代わりはイヤ。
 ・・・だよね。」



「正解。
 納得いかないこととか
 気になることがあるんなら
 調べてみればいいんじゃない?
 もう一度、気持ちを
 伝えたいなら伝えればいい。
 
 どんな結果になっても
 『友達』として
 戻ってくる場所として
 ずっとそばにいるから。」


「たく・・み・・・。」


あふれる涙を

必死にふいた。


「僕が泣かした
 みたいだろ~?」

少し笑いながら匡が言った。


「その通りじゃん!」


私は泣き笑いをしながら

匡に言った。


男女の友情は

ありえるのか

ありえないのか

よくわからないけれど

私には匡は最高の友達だよ。


ありがとう―――。
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