佳人な先生

冬の夜

「星音。
 こっちに
 来てごらん。」


月冴さんに呼ばれ

窓辺にあるソファに

腰掛けた。


あと数時間で

今年も終わろうとしている。


あの日から少しして

両親の許可をもらい

私たちは

月冴さんの部屋で

一緒に暮らし始めた。


「もっとこっち。」


月冴さんはそう言って

私を後ろから抱きしめる。


窓から見えるキレイな

月を2人で見つめた。



そして私の耳元で

月冴さんは優しく話す。



「兄さんは
 冬の夜に生まれたから
 『冬夜』。
 僕は月の冴えた夜に
 生まれたから
 『月冴』なんだ。」
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