佳人な先生
次のクラブの日。


私は最初に

あの防犯ブザーを

瑞城先生に返した。


「ブザーありがとう
 ございました。
 ・・・これって
 先生が買ったんですか?」


「いや、部費で
 卒業生たちが
 買ったものだ。
 帰りが遅くなった時にだけ
 持ち帰るようにしていた
 はずだが。」


「そうなんですか・・。」


だからかわいいブザーなんだ。


「気に入ったのか?」


「違いますよ!」


「そうか。
 俺は嫌いじゃないけどな。」


「え?!」


「さ、始めるぞ。」



いつもの冷静な顔のまま

言うから、少し驚いてしまった。



その後はいつも通り。


必要以外、会話のない

2人だけの勉強会。



そしてまた帰りに

ブザーを渡された・・・。
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