佳人な先生
その人は

黒っぽいスーツに

淡いライトグリーンの

ネクタイをしていて

黒いカバンを持っていた。



濡れた髪をかきあげる姿は


誰の目をも奪うほどの


美しさだと思った。




私は思わず


見とれてしまった。




そしてその人は一生懸命

濡れたスーツやカバンを

ハンカチで拭きだした。



けどすぐにハンカチも

役には立たないぐらいに

濡れてしまっていた。



私は自分のカバンから

少し大きめの

淡いグリーンの

ハンドタオルを取り出し

その人に差し出した。


今思えば

その人のネクタイと

同じような色の

ハンドタオルだったな・・・

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