佳人な先生

試験

試験は日曜日に

行われる。

試験を翌日に控え

私は瑞城先生に

挨拶に行った。


実習棟の準備室と

直接つながる裏口を

ノックした。


出てきたのは

湖西先生だった。


「あ、桐乎さん。
 瑞城先生だよね?
 もうすぐ戻って
 くると思うから
 中に入ってる?」


「いいんですか?」


「今、僕しか
 いないから。」


そう言って

湖西先生は快く

準備室へ入れてくれた。


瑞城先生の

イスに座るように

すすめられた。


湖西先生は横の席だった。


「いよいよ
 明日だね。
 調子はどう?」


「やれるだけ
 やりましたから。
 あとは祈るのみですね。」


「そっか~
 あ、そうだ!
 あそこの神社行った?
 結構人気あるよ!
 お守りの刺繍の干支が
 かわいいんだよね~」


「行きました♪
 ほんとかわいいですよね♪
 12種類集めたいです(笑)」


「じゃあ12年通わないと(笑)」


「そうですね(笑)」


湖西先生と

楽しく会話していた。



すると湖西先生が

ふと悲しげな表情に変わって

私に話しかけてきた。
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