君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。
あぁ、もう隠さなくても大丈夫なんだな、って……。



俺は決心して、重い口を開き、話し始めた。










――昔から、うちの親父は、"父親"と言う名だけで、俺達家族の為に何かをしたことがなかった。



ケーキを買って、誰かの誕生日を祝うことも、クリスマス、起きると枕元にサンタからプレゼントが置かれることも。



交わす会話はいつも、"テストの点はどうだった"、"先生に嫌われるんじゃないぞ"……そんなことばかり。



けど、母さんだけは俺と兄貴との時間を大切にしてくれた。





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