君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。
看護師さんが乱れた息を整えているうちに慌ててメモ帳とペンを取りに行き、慣れた手付きで紙にペンを走らせる。







【傷だらけの人なら追い返しましたよ。反対側の階段から下に下りたみたいですけど】







取り敢えずこの場所から看護師さんを遠ざけなきゃ、と真っ赤な嘘を吐いたが、看護師さんの額に浮かぶ汗を見ると少し胸が痛んだ。



看護師さんはかけていた眼鏡をとり、目を細めて笑った。





< 30 / 1,645 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop