龍太郎一味のご無体な学園生活
ポンと肩を叩く手。

「どひぃいいぃいぃっ!」

龍太郎、物凄い勢いで振り返る。

『お、おはよう、龍太郎君』

何やらえらくめかし込んだ小夜が、そこには立っていた。

いつもおかっぱ髪なのに、今日は少し伸びた髪をポニーテールにしたりして。

「さっ、小夜っ…」

ギクリとする龍太郎。

昨年のバレンタインの悪夢が呼び起こされる。

『あっ、あのねっ』

鞄の中に手を入れる小夜。

はうあっ、果たし状かっ?

思わず身構える龍太郎に差し出されたのは。

「……え」

小さな小さな箱を綺麗に丁寧にラッピングして、その中に入れられた手作りチョコ。

『お、お父さんにチョコ作ってさ…どうせならいつもお世話になってる龍太郎君にもどうかなと思って作ってみたの…味は保証できないから、不味かったら捨てていいからっ』

(天下獲ったりゃあっっっっっ!)

思わず心の中で三国制覇宣言してしまう龍太郎であった。

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