龍太郎一味のご無体な学園生活
「ロ…」

啓太、開いた口が塞がらない。

…今年の正月、アリスカは啓太を連れてロシアに里帰りした。

昨年は啓太がアリスカを親戚に紹介したりしたので、今回は逆にアリスカが両親に啓太を紹介したりもしたのだが。

今回のアリスカのロシア帰国の目的は、里帰りではない。

「実はね…ロシア大統領が出席する晩餐会の警備に、私呼び戻されたの…腕の立つエージェントが必要らしくて…勿論弥々ちゃんも間近で大統領の警護に当たるんだけど、彼女一人じゃ広い晩餐会会場で大勢の出席者がいる中、完全に大統領を守り切る事が難しいの…それで私も出席するんだけど…その…」

アリスカは恥ずかしそうに言いよどむ。

「エージェントと知られずに晩餐会に出席したいの…それには女の子一人で参加すると不自然でさ…パ…パートナーが必要なの…旦那様とか…あ、私達は若いから夫婦っていうより…恋人とか許婚みたいな関係かな…」

ロシア帰国は、その警備の打ち合わせの為でもあったのだ。

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