龍太郎一味のご無体な学園生活
不意に、足元から広がる漆黒の空間。

小岩井や雪菜に恐怖を感じた日音子の能力によって、二人は一定範囲内にある物質もろとも現実世界から隔離される!

先程までの廊下、自販機、空き缶入れ…何もかもが薄闇の中に包まれる。

「これは…」

咄嗟に雪菜の手を握り、引き寄せる小岩井。

「こっ、小岩井さんっ…」

明らかな異変に、雪菜も身を縮こまらせる。

「……」

目を凝らす小岩井。

確かこの廊下の先は、靴箱へと続いていた筈だが…。

「これは珍しい…無限回廊の結界…このような術の使い手がまだいたのですね…」

「むげん…かいろー…?」

雪菜が小岩井を見上げる。

平たく言えば、同じ道を堂々巡りさせられる無限ループ。

結界によって出口を認識阻害されてしまうのだ。

「そんな術を、日音子さんが…?」

< 1,116 / 2,031 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop