龍太郎一味のご無体な学園生活
おどろおどろしい呻き声と共に、にじり寄ってくる悪霊達。

数体は、非力な雪菜に襲い掛かるが。

「ひゃあっ!」

彼女に触れようとした悪霊達が、強力な結界によって消し飛ばされてしまう。

「こ…これ…?」

その様子を見て、雪菜は自らが身につけている肩掛けに触れる。

クリスマステロの際に、小岩井にプレゼントされた淡い桜色の肩掛け。

肩掛けの糸一本一本に、小岩井の結界の力を念じておいた逸品だ。

並みの悪霊が束になって襲いかかった所で、雪菜の着物にさえ触れる事は叶わない。

そして。

「無駄な殺生は好みません…斬るべきはこの悪霊達ではなく…」

小岩井は処刑人の剣で、空間そのものを断つ!

それは死神としての能力ではなく、生前より培われた結界師としての小岩井の力。

「破界(はかい)」

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