龍太郎一味のご無体な学園生活
見えてきた。

ハンドルを握る男性の手に、思わず力がこもる。

車のヘッドライトに照らされた、不気味な沼。

水面に波紋一つ立たないその沼は、この深夜に見ると余計に恐怖を掻き立てる。

目を凝らすと、仄暗い沼の底から『何か』がこちらを凝視しているのではないか。

そんな気さえしてくる。

…余計な事を考えてはいけない。

さっさと通り過ぎてしまえばそれで終わる。

男性はアクセルを踏み込む。

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