龍太郎一味のご無体な学園生活
目をひん剥かずにはいられなかった。

時速60キロは出ている車。

その車に並走して、三輪車に跨った幼い子供が走っている。

ずぶ濡れの体、冷え切って紫色になった唇、白どころか青くなった肌。

そんな姿で、子供は男性の方を見て、ニタリ…と笑う。

「ひぃっ!ひぃいいぃいいっ!」

摑まれた腕はどこまでも凍りつくように冷たく、爪が突き刺さるほどに痛い。

これが子供の握力か。

まるで運転している車ごと、子供の方に引き寄せられていくようだ。

引き寄せられている方向は、山肌剥き出しの壁。

激突すれば命はあるまい。

それをわかっているのだろう。

「ア゛ア゛ア゛ァ゛ア゛ァ゛」

子供は怖気の走るような声を上げる。

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