龍太郎一味のご無体な学園生活
それでなのか、どうなのか。

あの日、俺は背中に『よからぬもの』が憑いたにもかかわらず、何も抵抗しなかった。

生まれてから、一度として感じた事のなかった異質な感覚。

怪異というものを、俺は初めて身を以って経験した。

…悪くない。

それが感想だ。

怪談や都市伝説で聞いていたほど、恐怖や戦慄や不快感は感じなかった。

寧ろ『同類』としての共感を覚えた。

…断っておくけど、俺は紛れもなく人間だ。

だけど、奥底に沈殿している澱のようなもの…その質が、この背中に憑いているものと『同類』なんだ。

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