龍太郎一味のご無体な学園生活
挑戦者
龍太郎がそうやって、体育館でアルベルトとやり取りしている頃。
「…ふぅぅうぅ…」
校庭の片隅には、空手着、黒帯の拓斗の姿があった。
早春とはいえ、早朝はまだ寒い。
だというのに、彼は全身に汗をかいている。
最近、拓斗もまた、龍太郎がやっていた立禅の稽古をするようになった。
立禅の修業を行う事によって、心身をひとつにする、身体の中心感覚を養成する、人間の持つ本能を呼び覚まし動物的な反応や動きが可能になるなどの効果が得られるという。
心を穏やかに保ち呼吸は自然に。
中腰になり、高い椅子に腰掛けるように。
踵を少し浮かし、足の親指の付け根に重心をかける。
両手で大きなボールを抱えるように円を作る。
手の指全体が繋がっているような感覚。
頭は天から吊り下げられている感覚。
脚は地面の中に埋まって根を張っている感覚。
自らが中心である事を意識する。
顎は玉を挟むような感覚。
目は軽く開きやや上の方を観る。
意識を遠くに放つ。
耳は僅かな物音にも反応する。
「…ふぅぅうぅ…」
校庭の片隅には、空手着、黒帯の拓斗の姿があった。
早春とはいえ、早朝はまだ寒い。
だというのに、彼は全身に汗をかいている。
最近、拓斗もまた、龍太郎がやっていた立禅の稽古をするようになった。
立禅の修業を行う事によって、心身をひとつにする、身体の中心感覚を養成する、人間の持つ本能を呼び覚まし動物的な反応や動きが可能になるなどの効果が得られるという。
心を穏やかに保ち呼吸は自然に。
中腰になり、高い椅子に腰掛けるように。
踵を少し浮かし、足の親指の付け根に重心をかける。
両手で大きなボールを抱えるように円を作る。
手の指全体が繋がっているような感覚。
頭は天から吊り下げられている感覚。
脚は地面の中に埋まって根を張っている感覚。
自らが中心である事を意識する。
顎は玉を挟むような感覚。
目は軽く開きやや上の方を観る。
意識を遠くに放つ。
耳は僅かな物音にも反応する。