龍太郎一味のご無体な学園生活
が、見た目に反し、ラロにとって拓斗は相性の悪い相手だった。

寧ろ龍太郎を相手にしていた方が、いい勝負が出来たかもしれない。

拓斗は足を止めて打ち合うタイプの武道家ではない。

スピードとフットワークを活かし、手数で攻めていくタイプだ。

しかも。

「つぅっ!」

拓斗の連打を浴びて、ラロが顔を歪める。

手数で攻めるというと貧打のように聞こえるが、拓斗の拳は突き刺さるような中高一本拳。

中指の中節骨を高く突き立てるようにして親指を添えて握り込み、急所を殴打する。

より痛みが増し、より的確に急所を狙う事が出来る。

威力も手数も多いのだ。

これ程効果的な攻撃はあるまい。

ベビーフェイスに似合わず、拓斗の攻撃は暗殺拳のような特性を持っていた。

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