龍太郎一味のご無体な学園生活
(あれ…?)

考えていたリグニアはハッとする。

…何か見える。

授業中、真っ直ぐに教壇の方を見ている誠一郎の背中に、何かが映った。

以前見た時は、全く何も見えなかったのに。

リグニアは左目を凝らす。

…はっきりとした形は見えない。

見えないというか、誠一郎の背後で形が定まらないまま、モヤモヤと霧か煙のように漂っているのだ。

不定形の…色は黒か濃い紫といった感じ。

まるで掴み所のない誠一郎本人のように、広がったり収縮したりを繰り返す。

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