龍太郎一味のご無体な学園生活
そんな中。

「やぁ龍太郎君、来ましたね」

一人の大柄な男が、立ち上がってニコニコ笑う。

襟足が長めの黒髪に袴姿の純和風な男性。

天神学園高等部地理教師の帳だ。

正体は数千年以上生きている『鬼神(おにがみ)』と呼ばれる神で、昔は人々を襲う鬼達を斬っていたという。

にこやかに接する人物だが、実はさりげに凄い人である。

「帳さんが…俺の稽古見てくれんのか?」

「え?」

尚もニコニコしながら龍太郎の顔を見る帳。

「いえぇ?私は学園長先生に、『鬼神島(きじんとう)の自宅に一晩龍太郎君を泊めてやってくれないか』と頼まれただけでして…」

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