龍太郎一味のご無体な学園生活
と、ここまでの前ふりで、勘のいい読者は感づいたかもしれない。

感づいていないのはスペシャルバカの龍太郎のみ。

「……」

天神埠頭。

波に揺られる大きめのタライを目の前にして、龍太郎は固まる。

「…帳さん…これ…」

「タライです」

「…洗濯でもすんのか?」

「そうですね、自宅に帰った時には洗濯に使う事もあります」

帳家の洗濯は、今時洗濯板タライで手洗いらしい。

それはともかく。

「さぁ行きましょう、このタライには龍太郎君の彼女の小夜さんも乗った事がありましてね、好評でしたよ?」

どの辺が好評だったのだろう?

そんなツッコミはスルーして、ドッコイショと大柄な体をタライに預ける帳。

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