龍太郎一味のご無体な学園生活
そうは言うが。

御衣黄は目の前で狼狽するおかっぱ髪の少女を見る。

この少女がいなければ、龍太郎はあの1年生の時のタイマントーナメントを最後に、終わってしまっていたかもしれない。

自分の実力はここ止まりなのだと諦め、腐り、落胆し、只のゴロツキに落ちぶれ果てていたかもしれない。

初戦で負け、控え室で俯き、小夜の目も憚らず泣く羽目になってしまった。

そんなかっこ悪さ、悔しさ、何より小夜の前で強くいられなかった自分の惨めさ。

そういうものが今も根底にあるからこそ、彼は目標に向かって邁進できているのかもしれない。

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