龍太郎一味のご無体な学園生活
時間を止められて攻撃の瞬間が見えないのでは、硬気功を使う暇さえない。

結果、生身のままで刃を受ける事になる。

「もう降参しな、先輩」

レッドは這い蹲る龍太郎に言う。

「俺とクロラの『コンビ』には勝てねぇよ…」

「……コンビ…?」

地面の砂を握り締めながら、龍太郎はまたも立ち上がる。

レッドとクロラ、龍太郎と臥龍。

共に人ならざるものをその身に宿す存在。

しかしその在り様には、決定的な違いがある。

お互いの存在を認めているかどうか。

時に助け、時に頼り、共に生きる仲間としてリスペクトしているかどうか。

臥龍に頼る事を良しとしない龍太郎と違い、レッドはクロラを認めている。

その気遣い故に時には魔法の行使を躊躇いもするが、それもクロラをリスペクトしているが故なのだ。

それに比べ、己の力のみに拘り、共に在る臥龍に頼らない龍太郎の何と小さい事か…。

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