龍太郎一味のご無体な学園生活
「やぁ、リグニアに日音子」

誠一郎が言う。

抑揚のない声。

弾む風でも沈んだ風でもない。

声だけでは、心情は窺い知れない。

「夜のお散歩にしては遅すぎない?」

呟くリグニア。

誠一郎の口元が僅かに緩んだように見えた。

「二人こそ、こんな時間にどうしたの?女の子が起きてる時間じゃないよ」

「…廊下に人の気配がしたもので…」

彼の言葉に答えたのは日音子だった。

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