龍太郎一味のご無体な学園生活
そんな折。

「ん?」

歩く龍太郎の足元にヒラヒラと舞い落ちた、一枚のチラシ。

『天神学園初!ハロウィンナイト開催!』という文字が躍っている。

ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていた。

これらから身を守る為に仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていた。

これに因み、31日の夜、カボチャをくりぬいた中に蝋燭を立てて『ジャック・オー・ランタン』を作り、魔女やお化けに仮装した子供達が近くの家を1軒ずつ訪ねては「ご馳走をくれないと悪戯するよ」と唱える。

家庭ではカボチャの菓子を作り、子供達は貰ったお菓子を持ち寄り、ハロウィンパーティーを開いたりする。

お菓子がもらえなかった場合は報復の悪戯をしてもよい。

これがハロウィンの大まかな内容である。

尤も天神学園の面々はハロウィンの由来などどうでもよく、ただの仮装してお菓子を脅迫して奪い取ってカボチャを食う日、くらいの感覚しかないのだが。

< 16 / 2,031 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop