龍太郎一味のご無体な学園生活

「古い屋敷で何も面白いものなどないがな、ゆっくりしていくといい。尤も、無駄な広さばかりで若い人達が楽しめるものなど何もないかもしれんが…」

「いっ、いえっ、突然お邪魔したのによくして頂いて、感謝しています」

流石生徒会長、かなこが忠邦に生徒代表として礼を述べる。

「ん？君は…」

まじまじとかなこの顔を見る忠邦。

「五十嵐の棟梁のとこの娘さんじゃないか？いやぁ…屋敷の改修を頼んだ時に見かけた時は、まだほんの赤ん坊だったのになぁ…」

「わ、私をご存知なんですか？」

目を丸くするかなこ。

「ああ。何しろ地主などやっているからね…五十嵐の棟梁とは親しい間柄でね…どうだね、棟梁は息災か？」

「えと…父はもう跡目を姉のおんこに譲りまして…」

「何と！もう五十嵐工務店は代替わりかね！そりゃあ余程娘さんが頼りになるんだろうね」

目を細めて笑う忠邦。